永遠の「フラット」

たとえば、お金持ちになっても、幸せになれるとは限りません。

なぜか?

それは、人生はどこまで行っても、心がフラットになるようにできているからです。一旦お金持ちになっても、気づけばそれが「当たり前」となり、次第に心はフラット化してゆきます。そして、間もなく、お金持ちであることに対する感動は消えてゆくのです。

最近、有名芸能人の自殺が相次いでいますが、結局、有名でも、お金があっても、容姿端麗でも、結婚していても、子供がいても、その人が幸せかどうかは、一般的な成功の尺度では計ることはできません。

一方、成功者の対極にいるのが、日本では、生活保護者と言われる人々でしょう。

実は、僕が所有しているアパートの一つでは、生活保護者の受け入れをしています。

生活保護者は、働かなくても毎月お金をもらうことができます。

家賃も支給されます(上限はありますが)。

医療費も無料。ガンの手術だってしてもらえます。

老後は実質無料で老人ホームに入ることができます。

僕はそんな彼等を見て、

「資産家のような生活だな。」

と思うことがよくあります。生活のレベルは違うかもしれませんが、何もしなくても毎月お金が入ってくるというシステムは資産家も生活保護者も同じです。また資産家の多くは質素倹約で、健康志向の人が多いことを考えれば、納豆や味噌汁など、生活保護者と食べている物もほとんど同じかもしれません。

もっと言えば、生活保護者の住まいのレベルはどんどん向上しています。空き家が増えている日本では、生活保護者も住まいを選べる時代なんですね。

お風呂は追い炊き機能付きのユニットバス。トイレには当たり前の様にウォシュレットが付いており、洗面台には最新式のシャンプードレッサー。床や壁も綺麗にリフォームされています。部屋も2DKほどの広さがあり、1人暮らしには十分です。条件は地域によっても差があると思いますが、僕のアパートがある、ごく普通の町ではそんな感じなのです。

華やかな世界で成功している芸能人と、その対極にいる生活保護者。どちらが幸せだと思いますか?

死ぬような思いで頑張っている芸能人は、社会的な成功をしているかもしれません。

一方で、生活保護者は、気楽な生活を満喫しているかもしれません。

そう考えると、何が成功なのか見えなくなりませんか?

このように、僕達現代人の視界が曇って本当の真実が何かが見えなくなってしまうのは、宇宙の法則から外れた、偽りの価値観に社会全体が支配されているからです。

でも、もし見えないとしても、ここまで述べてきたロジックを理解すれば、今回の謎は解けます。

つまり、それは、「フラットな状態を良しとすること」なのです。

なぜなら、人生はどこまで進んでも「フラット」だからです。

例え大金持ちになっても、一流の芸能人になっても、生活保護者になっても、同じ地球で生きている以上、全く同じルール「人生は結局、心がフラットになる」が適用されるのです。

大昔の人類は、今では考えられないくらいの過酷な生活をしていたわけですが、それでも彼等の心はやはりフラットだったのです。成功しても、過酷な環境下でも、人の心は状況に慣れ、フラットになるのです。そして、何かが足りないのだと錯覚するのも、どちらも同じなのです。

だからこそ、どんな状況であれフラットな状態を良しとすることが、迷宮を脱する光となるのです。

何も無いフラットな状態を良しとすること。

つまらないフラットな状態を良しとすること。

今ここにいる自分を良しとすること。

そして、そこからゆっくりと次の一歩を進み始めればよいのです。

社会的な地位や名誉は関係ありません。これを理解した人から、心穏やかな日々を歩みだせるのです。

現代では多くの人が、成功すれば幸せになると思い込み、突っ走っています。だからこそ、成功しても幸せになれないことが分かると失望してしまうのです。

でも、最初から心がフラットになる仕組みが分かっていれば、必要以上に自分を追い込む必要はなくなります。実はそうした方が、人生の視界が晴れ、本当に自分が進むべき道も見つけやすくなるのです。

フラットな心は人生が終わるまでずっと続きます。

だから、それを良しとするのです。

本当の人生とは、自分のフラットな心に咲いた、小さな草花を愛でながら歩んでいくことではないでしょうか。

そして、その小さな草や花は、あなたのすぐ近くにいてくれる人たちなのかもしれません。

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