場に支配される人間

人は場に支配される生き物です。

例えば、「家庭」という場は、人が属する最小単位の場と言えるかもしれません。多くの場合、この家庭という場は夫婦の価値観が創り出し、そのルール(場)に子供たちは支配されます。

もう一つ上の階層に行くと、例えば会社の職場という場が存在します。職場の場の価値観を創っているのは、そのチームや組織のトップでしょう。課長が変わったり、店長が変わると、職場の雰囲気もガラッと変わるのは、場そのものを創り出す人が変わるからです。

つまり、集団のトップにいる人間が場を創るとも言えますし、基本的にはさらに上位層の場のルールには逆らえないということにもなります。課長は部長の指示には従いますし、部長は専務の指示には従いますよね。父親が会社で得た価値観、ものの見方を、少なからず家庭に持ち込むのも、上位の場が下層の場に大きな影響を与える一つの例かもしれません。

話を戻して職場の更に上の階層に行くと、資本主義社会という場が存在しています。会社を経営している人は、ある意味では全員、この場に支配されていることになります。なぜなら資本主義社会には歴然とした価値観とルールがあるからです。それは、会社とは利益を上げ税金を納める義務があるというものです。

つまり、この場(ルール)から逃れて会社を運営することは基本的に不可能です。ですから、会社を運営する人は当たり前の様に利益を第一に追求するのです。資本主義社会とはその様な場であり、人は場に支配されるから当然です。

更に上の場にいきましょう。全ての会社が属している訳ではありませんが株式市場という場が見えてきます。日本を代表するような立派な企業のほとんどが株式市場に上場し、自社の株式の一部から大部分を他人に譲渡しています。

この株式市場は、株主が一番偉いという価値観(場)に満ちています。

つまり、創業者は自分の会社を手塩にかけて育ててきたとしても、上場した瞬間に、その会社は、自分以外の株主の為の会社となるのです。

では、株式市場を実質的に支配しているのは株主ということになりますが、日本の株式市場最大の株主とは誰なのでしょうか?

実は日本経済新聞の推計では、日銀が2020年末にも日本最大の株主となる見通しのようです。

日銀が日本最大の株主。

じゃあ、その日銀の株主は誰なのでしょうか?

調べてみると、日本銀行への出資者の55.0%は日本政府となっています。しかし、その他の45.0%は日本政府以外の者からの出資となっています。それが誰なのかは公表されていないのです。

つまり表面上は、日本政府が株式市場最大のオーナーということになりますが、日本政府が株式市場のルールを統制しているようには到底思えませんね。

つまり、残りの45%を握っている人間こそが、日本の株式市場という場を実質的に支配している人間ということになるのではないでしょうか。

それは誰か?

言うまでもなく、それは世界の金融資本家たちですね。最近はディープステートなどと言われたりもしています。※根拠はありませんのであしからず。

つまり彼等が、2020年現在の僕たちの社会の最上位に位置しており、拝金主義的な価値観を創り出している根源の人間たちと言えるでしょう。

ある意味、日銀が金融緩和を通して、日本の大企業の株を買えば買うほど、その株主による支配権は日銀を経由する形で、支配者達の手に移っていくとも言えるわけです。

彼等は資本主義社会や共産主義社会の上の階層に存在しており、簡単に言うと、お金持ちは偉いという価値観を全世界に植え付け、お金によって世界を支配しつづけようとしています。

しかし面白いことに、世の中は変わろうとしているようです。金融システムが崩壊しようとしている今、まさに社会の価値観を転換させるチャンスが来ているように見えるのです。

もし社会システムが根本的に変化するのであれば、「お金」を価値観のトップに置くのではなく、「幸福」を価値観の最上位に置くような社会システムにすれば、人々を支配する場は一気に変わります。そして、当然、今よりももっと幸福な世界が訪れることになるでしょう。

なぜなら、幸福が最上位の価値観になるわけですから、人々は幸福とは何かを追求するようになり、少なくとも、自殺者の多い今の社会システムよりはマシになるような気がするからです。

当然、これまで権力を持っていた人達は自分たちの権力を維持するために、あの手この手で社会システムをコントロールしようと試みるでしょう。しかし、金融システムが崩壊するタイミングで、世界の多くの人々がお金に支配されない生き方を選択した場合には、これまでの様な支配を続けるのは難しいでしょう。

例えば日本の場合、自給自足的な生活に憧れて、実際に田舎に移住する人が少しずつ増えてきていますが、彼等の様に、お金に支配されない人間は、支配することが極めて難しい人種と言えます。

極端な話、日本人全員が自給自足的な生活をすれば、世界の金融資本家は日本を支配することができなくなるでしょう。

それをもう少し拡大させて考えると、例えば、国内で休耕地になっている莫大な土地にもう一度農作物を作りはじめれば、日本は他国からの食糧輸入に頼らずに、つまり、お金に頼らずに、幸福という新しい価値観を国単位で追求することができるかもしれません。人工知能や、高機能な耕作機、温度や湿度を調整できるビニールハウスを組み合わせれば、労働を軽減しながら、国民全員を養えるだけの、質の良い農作物を供給することは十分可能だと思います。

これはあくまで一例ですし、社会システムが崩壊する局面では、あらゆるものが半壊状態となるでしょうから、様々な再構築の議論が必要になります。

当面の間は、お金というシステムを継続させる必要があると思いますが、重要なことは、現在最上位で場を作っている「お金」という価値観を「別の何か」に置き換える局面を迎えようとしていることだと思います。

最上位の場が変われば世界は一変します。人々はどの様な価値観を次世代社会の最上位に掲げるのでしょうか。また「お金」だったら、ちょっとつまらないと個人的には思います。

僕だったら、やっぱり、「幸せ」ですかね。多くの若い世代もそうなんじゃないかな?何よりも、幸せという分野は、実は全然開拓されていないような気がするのです。これから色々な幸せの形がきっと見つかっていくはずです。

お金の為にバリバリ働きたい人も、まだまだたくさんいると思いますし、そういう人たちが今は経済のエンジンになっていることも事実ですが、少なくとも、お金が1番という時代は終わるべきかなと思います。

今回は場という概念についてざっくり説明しました。なぜわざわざ、この様な概念を持ち込むかと言うと、自分たちの社会を少し違った角度から、本質的に見ることができると思うからです。

そして次回は、人々を支配するもう一つの場について解説し、人間にとって最高の場の組み合わせとは何かについて探求したいと思います。

最後まで読んだ人、、、いないだろうなぁ。笑

もしいたら、あなたは変態です。

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